【戦略ファーム別①】ファームごとの違い・個性を解説(MBB KRAS / IGPI DI CDI)

本記事では、戦略コンサル出身の著者が、ググって上位表示されるメディアより一段高い解像度で戦略ファーム個社それぞれのファームカラーについて解説します。

【著者の略歴】
京都大学から新卒でBain&Companyに入社。金融、電子機器、ヘルスケア領域の企業への、収益性改善、組織改革、買収提案などのプロジェクトを経験し、同社を卒業後、人材領域で創業。学生時代はITコンサルでの長期インターンも経験。

歴史

各ファームの創業年をマッピングしたもの


創業年をマッピングすると、意外に感じた人も多いのではないでしょうか?

私も就活生の頃は、市場シェア/知名度と創業年の早さが比例するとなんとなく思っていました。

各ファーム詳細な歴史について知りたい方は、元マッキンゼーでフィールドマネジメント創業者の並木裕太氏の「コンサル一〇〇年史」をぜひご購入ください。

Mckinsey

James O. McKinsey

創業年:1926年
日本市場におけるシェア:2位
強い領域:全般的に強い

The Firmと呼称されることもある知名度No.1の会社です。

出身者によるMck解説本や記事の数が非常に多い故、ファームカラーについての情報は簡単に大量に見つかるので、この記事では実務的な特徴を記します。

まず、英語力を重視しており、中途採用においては英語面接の配点が高いこと、新卒においては英語力が一定スコアに到達しないと入社を許されないことから、毎年一定数の内定者が大学卒業時点で条件を満たせず入社時期を遅らせることが挙げられます。

背景としては、グローバル各国の知見量が世界最大なので、それらを活かすために英語力が必要になることがあります。

また、クライアントワークのみならずレポートを出すことにもインベストしているので、アカデミックなイメージが強いです。(有名なのはイシューから始めよの著者で脳神経学者の安宅和人さん)

さらには、エムスリー、DeNA、メドレー、オイシックス、キャディ、プログリット等、卒業生の起業実績が圧倒的です。

BCG

Bruce D. Henderson

創業年:1963年
日本市場におけるシェア:1位
強い領域:全般的に強い

グローバルではだいたいどの国でもマッキンゼーがシェアトップなのですが、日本市場は実はBCGがシェアトップです。

各ファーム、グローバル売上に対する日本オフィス売上の貢献度は5%程度とされているので、BCGは他社比で高く6~7%程度になるのではないかと思います。

なぜ日本市場でのパフォーマンスが高いのかというと、そもそも日本市場への参入がマッキンゼーよりも早かったこと、日本企業独特の商習慣に上手くコンサルティングをローカライズさせられたこと(具体的には、CXOの権限が欧米比で弱いことから部長レベルの予算を狙う小分けされたパッケージも売ったこと等)が考えられます。

ファームカラーとしては、採用においてチャームを重視することを明示しており、実際著者の知人のBCG社員もチャームに強みがある方が多い印象があります。

また、PPMや経験曲線などの大ヒット経営理論を生み出して大きく成長した背景から、今でも一般化された経営理論を創造することにインベストしているのではないかと思います。

その結果、人気シリーズ「BCGが読む経営の論点」や「戦略脳を鍛える」といった名著が出版されているのではないかと予想します。

Bain

Bill Bain(右)

創業年:1973年
日本市場におけるシェア:3~4位
強い領域:PEファンド向けDDが強い

BCGからスピンアウトした会社で、「True North」、「Deliver results, not report」、「80/20」といった特徴的な指針を掲げています。

特に重要なのが「True North」で、「磁北は真北から少しズレている。本当の正解も常識から少しズレたところにある。クライアントが常識を信じていても正しいことを追求し提言する。」というスタンスを取っており、ロゴにも方位磁針が描かれています。

レポート作成にリソースを割くことを明示しているマッキンゼーとは対照的に、クライアントワークにリソースを集中する経営方針を掲げています。

また、NPSという顧客心理を分析するための指標を開発した会社なので、NPS導入における知見が深く、NPSについての書籍出版もしています。

さらには、ピュア戦略の案件が占める割合が高いこと、PEファンド向けDD領域で圧倒的に強いこと、といった特徴から、ファンドに転職したい人にとっては特に魅力的なファームだと思います。

年表にある通り、最も若いファームであるにもかかわらず、グローバルシェア3位のポジショニングを築けている大変パワフルな会社です。

Kearney

Andrew Thomas Kearney

創業年:1939年
日本市場におけるシェア:3~4位
強い領域:消費財領域、オペレーション系案件が強い

マッキンゼーからスピンアウトした会社で、The most admired firm(最も評価され、信頼されるコンサルティング会社)を目指すことを明示しています。

東京オフィスでは、「個の強さ」を重視しており、新卒1年目から、分析業務のみならず、論点を丸ごと1つ持つようになっており、いきなり自走力が求められます。(グローバルについては定かでない)

そのためか、新卒のインターン選考では、他ファームでは5人程度の班を組んで実施する中、Kearneyは1人でアウトプットを作成します。

MBBというBIG3の括りが一般的ですが、こと日本市場においては、Bainとカーニーのプレゼンスは近く、Kearneyの方が社員数が多くなったとの報道が去年公開されていました。

売上・利益、フィー・稼働率に関しては非公開情報ですが、ビジネスモデルが非常に近い(どちらもピュア戦略案件の比率が高い)なので、日本市場に限ってはいつかシェアが逆転する可能性もあると思います。

Roland Berger

Roland Berger

創業年:1967年
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:自動車を中心とした製造業が強い

戦略ファームでは珍しい欧州系のファームで、3つのE(Entrepreneurship, Excellence, Empathy)をミッションとして掲げています。

Entrepreneurship

自律的に考え行動し、リスクを取り、新しい道を切り開くことに挑戦する。クライアントの変革を支援するため、革新的でありながら持続可能なソリューションを実現する。

Excellence

持続可能かつ目に見える成果を実現するため、最高の結果と世界トップレベルのベストプラクティスを追求する。

Empathy

寛容と尊重の精神を大切にし、クライアントのパートナーとして知性あふれる情熱を持って共に働く。多様性を強みとし、能力を最大限に発揮し、クライアントを成功に導く。

HPより

ドイツにDNAがあるからか、製造業、中でも自動車領域の知見が深いです。

著者の知人でもローベルの方々は明るくてパワフルな方々が多く、元気をいただいています。

Xの公式アカウントがウィットの利いた面白い投稿をしているので、興味があればぜひ。

Arthur D. Little

Arthur Dehon Little

創業年:1886年
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:製造業が強く、近年は実行領域に上手く広げて売上を拡大中

世界最古のコンサルティングファームで、最初は現在の型であるファクトとロジックを重視した経営コンサルではなく、特定業界のシニアエキスパートを顧問として送るグレイヘアコンサルと言われるスタイルでした。

日本オフィスが掲げているメッセージが「ザ・ディファレンス」というもので、変化を予測し、革新し、適応する支援をすることを掲げています。

ザ・ディファレンス

組織は、背反する決断への決定力を試されることが多くなっています。例えば、現在の業績を取るのか、明日のイノベーションに投資するのか。あるいは、競争か協調、どちらの戦略を選ぶのか?それとも、人材への投資か、技術への投資か。こうした難しい局面が続く現在においては、変化を予測し、革新し、適応することができる企業だけが、繁栄し、前進できるのです。

人材、テクノロジー、戦略を駆使して、これらの背反する力のバランスを取り、クライアントが現在の最大の課題を克服し、将来の最も有望な機会をつかむお手伝いをします。

HPより

実際、技術に強く、世に公開されている要素技術を実用化までの時間軸で整理したロングリストを社内で作成しているらしいです。

(また、なぜかはわかりませんが、イケメンの数が多い気がします)

Strategy &

Edwin G. Booz

創業年:1914年(旧Booz & Company)
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:PwCの傘下なので案件の種類が多様

Boozという名門戦略ファームをPwCが2014年に買収し、できたのがStrategy&です。

10年前の出来事になるので、当時著者は中学生でしたが、コンサル業界では空前絶後の大ニュースだったようです。

PwCの傘下にいることが強みとしてはシンプルに大きく、DXコンサルとの連携がスムーズで伝達コストがかかりません。

例えばBainの場合、ピュア戦略部分をやったらその先のDXはアクセンチュアに依頼、その際にBainの支援を踏まえ意思決定されたアウトプットやコンテクストを改めてアクセンチュアに説明しなければなりません。

詳しい事情は分かりませんが、FAS、監査法人、税理士法人もPwCの中にあるので、それらとの連携がスムーズである点も強みになっているのではないかと推察します。

カルチャーとしては、こと日本オフィスについてですが、ロジカルに頭のキレるタイプの方が多い印象があります。

ドリームインキュベータ(DI)

堀 紘一

創業年:2000年
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:新規事業案件に強い

元BCG日本代表の堀紘一さんが創業した日系戦略ファームです。

去年までは、アイペットというペット保険の案件が売上の8割程度を占めていたのですが、そちらの持ち株を売却(素晴らしいビッグディール)し、現在は、ビジネスプロデュースというコンサルティング以外の事業創出によるマネタイズに向けて走っているところです。
(詳しくは中計をご覧ください。上場している珍しいファームなのでIR資料があります。)

新卒選考においては、3回GDをやっており、GD天下一武道会などと言われることもあるようです。

経営共創基盤(IGPI)

冨山 和彦

創業年:2007年
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:再生案件に強い

元BCGでCDIの設立にも関与していた冨山さんが創業したファームです。

中小企業も含めた企業再生に強みがあり、企業再生の手法やプロジェクト管理体制などをHPや著書等で公開しています。

戦略コンサルティングファームはPLの営業利益より上の部分を担当するのに対し、BSもCFも包括的に担当しており、”経営は総合格闘技”という言説を体現しているイメージの企業です。

中途選考においては、面白い経歴の人を採りたい傾向があり、学歴・職歴の格にとらわれない柔軟で素晴らしいカルチャーだと著者は思っています。

コーポレートディレクション(CDI)

吉越 亘

創業年:1986年
日本市場におけるシェア:NA
強い領域:ヘルスケア

日本初の独立・自立の経営・戦略コンサルティング会社を目指し、BCG在籍者10名のスピンアウトにより設立されました。

師弟制を重視しており、創業年数が比較的長いにもかかわらず、実行案件への拡大はあまりせず少数精鋭を貫いています。

背景には、「新・和魂洋才」という考え方を創業時から掲げ、外資ファームの理論を鵜吞みにせず取捨選択・進化をしようとしてきた姿勢がある気がします。

30年前の驚きであったFact & Logic による分析・思考や、合理性・効率性のみを念頭に置いただけのConcept や Framework は、もはや当たり前の手法ではあっても、何も新しいものを生み出さないことにあらためて気づかざるを得なくなりました。
それだけでは解決・克服できない、より深層に及ぶ課題、現実の不調和に対峙し、どのような「創造的」な考え方や向き合い方を依頼主クライアントと共に見出していくか。

私たちがCDIの歴史から受け継いでいるものは、自由な発想力と愚直な姿勢でそれを追い求めていく精神と言えます。

HPより引用

まとめ

今回、戦略ファームの中でも有名な9社をピックアップし、紹介しました。

ただ、ここでは扱いきれなかった魅力的なファームがまだまだたくさんあるので、少しでもご興味がございましたら、下記リンクよりお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです!

Prismでは、コンサル志望の方向けに、キャリア支援サービスを提供しています。
元Bainとのキャリア面談は下記よりご予約いただけます。

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